戯言戯言日記

色々雑記-FGO編-

ギグスとモイーズ、その対比

モイーズ・ユナイテッドのシーズン通しての問題点は幾つも有りますけど、戦術上で最も重要な問題点は三つに絞る事が出来ると思います。

それら三つの問題点から、前監督モイーズと現監督のギグスを比較し、どちらがユナイテッドにより有益な指導を出来ているか、考察してみようと思います。

 

1 組織的なプレスを構築出来ていない

特に2列目、2.5列目が本当に連携しつつプレスをしてなかった。

個々でプレスしに行くシーンは幾度もあったけど、SB、CMF、SH、FWが相互に支援、ヘルプし合うプレスは全く見なかった、その為ライン際に追い込んでも簡単にボールを捌かれたりして、全く意味が無いどころかワイドに守備を展開しているだけになって、ギャップを敵に使われるだけの結果になっていた。

今季良くみたシーンで、ワントップしているルーニーやチチャが降ってきてプレスしてるのに、マタが見てるだけのシーンは何回みたか解らない、香川がプレスしてるのにベックが歩いてるだけのシーンも何度みたかわからない。

 

2 底の組み立てが出来ない

CB、SB、CMF、トップ下の選手がボールを繋げる事が出来なかった、何故組み立てが出来ないのかを理解できていない為、プレスを貰うとロングパスを前線に出すしか選択がなくなる事もしばしばだった。

もうヴィディッチの縦ポンは見たくないよぉと、何度思った事か。

 

3 選手の特質を理解していなかった

全ポジションに言える事だが、もっとも重要な選手特性を見切っての起用を行わなかった、数字を上げた実績に基づく起用は行ったが、選手同士の相性や特質を理解していない為、常にチグハグな組み合わせとなっていた。

香川が左SH、ヤヌザイがトップ下のスタメンとか頭沸いてるのか?とすら思いましたね。

 
上記の三つ問題点を、モイーズ前監督は改善する事はできたのでしょうか?

デヴィッド・モイーズ監督がユナイテッドでの最後の指揮となったエヴァートン戦を見る限りでは、1と2は全く解決されていませんでした、改善される兆候すら試合から発見出来ませんでした。3に関しては交代の使い方等から、改善の兆候が少しですが出てきていましたね。

そもそも1と2を問題点として認識していたかすら怪しいと思います。

 
ギグス監督はこれらの問題点を認識してるのでしょうか?

2試合しか行っていませんが、明らかに問題点が改善される兆候が幾つか見受けられました。

 

1 組織的なプレスを構築しつつある

負けたサンダーランド戦において、マタを除いてプレスが連動しているシーンが何度かありました、今季ユナイテッドでプレスのみで相手の組み立てを断念させているシーンは殆ど無いのですが、見事に4-3-3(或いは4-1-4-1)のサンダーランドの中盤にプレスを仕掛ける事で、フィルタリングと、ボールカットシーンを生み出していましたね、明確な意図の下でプレスしているという連動性がありました。

サンダーランドの攻撃陣はしばしば攻め倦んでいました、これはドン引きしていない時の今季の守備では、滅多にないシーンだと思います、ここにきて絶好調のサンダーランドの前衛・中衛相手に中々良かったと思います。

まだまだ煮詰める部分、どこでボールを奪うのか?等が、チームとして明確化されて居らず、選手任せな部分は見受けられますので改善点は残っていますが、守備のクオリティ上昇には期待して良いと思います。

 

2 底の組み立てを行う意識改革、プレー改善は始まっている

まず、サンダーランド戦のヴィディッチ、PJ、エブラのポジショニングやボールを持った時の動きを見れば解りますが、かなり改善されています。

特にヴィディッチはこのままインテルに出しちゃっていいのか?と悩むぐらい改善されています、ボールを持って上がって前線に縦パスを通したり、スペースがあれば今までの様にワイドに構えてるサイドにロングパスを出すのでは無く、ドリブルでラインを上げてからパスを出していました。

PJに関してはモイーズ時代にボランチをさせられていた怪我の功名かもしれませんが、素晴らしい組み立て意識を持っていましたね。縦パス、フリーラン、クロス等も含めてクレバーなプレーが多く成長が感じられました。

幾ら一流の選手でも、それまで出来なかったプレーが突然できる様になるには、問題点の指摘と改善する為の練習が必須です。この二名はそれをギグス・ユナイテッドが行っている根拠と考えて良いと思います。

そしてキャリックが抱えていた、チームに重大な影響を与える欠点や問題点も、ある程度解決されていました。

キャリックの問題点は縦パスの少なく無難なプレーに終始しすぎて攻撃機会を失わせている事ですが、サンダーランド戦ではフリーランで切り込んだり、ワンツーを貰いに行ったりと、ここでも意識とプレーの改善の兆しが見受けられました。まだまだ攻撃時に無難なプレー多いですが、プレースタイルがバランサータイプですから仕方ない部分もありますので、今後の修正をみてから考察したいと思います。

フレッチャーは出場機会が少ないだけで、ユナイテッドでは1,2を争う良い縦パスと組み立て意識が強いプレイヤーなので、そこを弄る必要性は余り感じません。改善点を強いてあげるなら、リスク管理面からのポジショニングぐらいじゃないでしょうか?。フレッチャーに関しては戦術上での改善の必要性が薄い事もあって、変化は僕の目では見受けられませんでした。

 

3 選手の特質は理解しているけど、相性の理解には疑問点がある

ある意味で一番重要な事ですが、まだ自分には断言できません。

しかしギグス監督はこれを理解している可能性は低くないと思います。

マタの使い方を理解しているのがその理由の一部です。マタは格下相手に勝ってる試合の後半に出すのが、一番理想的でしょう。そう考えると一戦目にスタメンから外して、二戦目にスタメントップ下と考えると、TO要員としてギグスはマタを考えている気がします。

現状のユナイテッドのプレイヤーで、一番ロールをこなせていないのが、クレバリーかマタだと僕は考えています。そう考えると合理的な起用方法じゃないかな?

ペルシ、チチャ、ベックの使い方も納得できます。

ただ、チチャトップ、マタトップ下は相性が悪いと思いますけどね、マタがトップ下として駄目すぎるせいなんですけど。

 

ユナイテッドに在籍していた期間が違うはいえ、監督暦10年のモイーズが10ヶ月かけても出来なかった事を、監督暦1年目のギグスが僅か2試合で修正してみせた。

多分、ギグスは経験さえ積めばモイーズじゃ足元にも及ばない監督になる可能性が高い。

 

1月後半の株価大暴落時期に変わっていれば、CL圏もあったかもしれないですね、過ぎ去った夢だけどね・・・。