RVPとルーニー
基本的に今季の話です。
ロビン・ヴァン・ペルシは偉大なFWでし”た”、今は偉大ではありませんが、まだ優れたFWではあります。
現在のRVPはターン&シュートに固執しており、セルフィッシュなプレーが90%以上を占めます。CLオリンピアコス戦、プレミアリーグ戦でも近場に居るルーニー、フィライニ、ヤング、ラファエル等にパスするポストプレーを選択していれば、チームにとってよりよい形に出来きたシーンは無数にあります。
しかしRVPは一度バイタルでボールを受けると、足元でも頭でも95%以上ターンを狙います、何人DFがついていても狙います。
そして一度ターンを狙うとほぼ絶対に味方にパスを出さずにシュートします。
結果としてRVPにボールを渡すとターン中にロストするか、宇宙開発シュートを放つか、DFにブロックされるか、GK正面に打つでユナイテッドの攻撃ターンは終わります。
二つ目のRVPの問題点は、ショートレンジならばトラップせずにダイレクトで狙いますが、PA内でも前にCBが居る時はほぼダイレクトで狙っていません、今季は特に狙えなくなっています。これはチーム状態の影響もありますので、一概にRVPのみの責任や能力とは言えませんが、それでもRVPの得点パターンが少ない事に変わりはありません。
更にRVPの問題点を上げるならば、ターンが下手になっており、フェイントのキレもなくなっている事です。少し前のミランのカカが良くターン&ドリブルをしていましたが、往年のキレが無くロストに繋がるケースが殆どでした。RVPも全く同じケースだと思います。年齢を考慮すると怪我の影響もあるでしょうが、既にRVPは選手としてのピークを過ぎ、下り坂に入ったと僕は考えています、少なくとも今までの様な1st pick RVP的な運用は不可能でしょう。
何故ならば1トップFWとして考えた場合に、ポストプレー、運動量、プレス、モダンサッカー戦術への理解度、汎用性、中盤の選手との相性、殆ど全ての項目でルーニーに負けているからです。
得点への嗅覚のみはRVPの方が現在でも上ですが、暫くルーニーがワントップをしていれば、そのRVPのアドバンテージも無くなると思います。元々ルーニーはゲーム展開を考えてのポジショニングが非常に上手いプレイヤーですからね。
ウェイン・ルーニーというプレイヤーの怖さは、トラップ、キープ、ドリブル、ターン、シュート、ミドルシュート、ロングパス、運動量、速度、守備、フィジカル、ポジショニング、戦術眼、これらが全て一流以上という事にあります。
反面ルーニーは誰にでも理解できる突出した武器を持っていません。ドリブルはメッシに及ばず、戦術眼ではモドリッチに適わず、トラップもイニエスタに届かない、速度はロナウドに負けている。
上記から誤解を受けたのか解りませんが、ルーニーはワールドクラスじゃない等と、お馬鹿な事を言った人が最近いましたね。
僕から言わせれば笑止千万です。
FW、OMFでこれだけの項目で一流と称される技術、能力を持っているプレイヤーが世界に何人いるのでしょうか?、僕の知る限りでは片手の指で数えられる人数だと思います。
ウェイン・ルーニーは、世界でも数少ない、万能フットボーラーなのです。
RVPが出ている時のルーニー選択肢の乏しさ、プレーの貧しさ。
RVPが出ていない時のルーニーの選択肢の豊かさ、プレーの輝き。
これらを比べてルーニーのトップ下がクソなだけって意見を良く2chのユナイテッドスレ等で拝見しますけど、ルーニートップのヴィラ戦を見る限りにおいて、ルーニーのトップ下を貧しくしているのは、RVPのポジショニングの不味さと、ポストプレーの少なさだと思います。
ルーニーはサイドに出すだけのプレイヤーじゃないですよ、ルーニーは試合の動きを見て上下左右に動き、ポジショニングを細かく調整し、ハードプレスをかけ、時には自軍PAまで走って戻って守備にまで参加しています。非常に頭が良く、献身的なフットボールプレイヤーです。
ピッチ外では我侭だけど、ピッチ内で彼ほどチームに献身的なプレイヤーは少ないと思います、文句言いつつも色々なポジションをこなしてるしね。
RVPの問題点から成るユナイテッドの攻撃パターンの単調さは、モイーズ監督の戦術理解力の乏しさも密接に関わっているので、一概に彼のみの責任ではありませんが、RVPのプレーも物凄く問題点を含んでいる事に気が付かないと、ユナイテッドサポが来季も頭を抱える事態に陥ると思います。