戯言戯言日記

色々雑記-FGO編-

13/14シーズンのliverpoolの約束された成功と失敗 後編

後編

後編はクリスタルパレス戦から、今季レッズとロジャーズの限界を見ていこうと思います。

 
1 勝利の方程式を捨てたロジャーズ

クリスタルパレス戦のスタメンとフォーメーション

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コウチーニョが居ないのはTOなのかな、ヘンドが出停なので守備面でのバランスを危惧した可能性もある。

このフォーメーションの意図はわかるんですよ。

ここ2-3節でスターリングが単なる快速ウィンガーから、プレミアで通用するFWとして爆発的に成長してるので、トップ下運用しようとしてるんだろうけど、それならナローサイド4-4-2で良いと思う。

自分から勝ちスタイルを捨てたのは非常に大きいツケとなる。

前半に大量得点を取るスタイルであったレッズはクリスタルパレス戦の前半は1点しか取れてない。確かにピューリス・パレスは降格間違い無しと思われてた12-1月と比べれば別のチームと見違える程の守備をしていたと思うけど、レッズは幾つかのマッチアップ勝ちが生まれてたにも関わらず、前半を一点リードで折り返した。

 

クリスタルパレス戦のスタッツから見るポジショニング

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スターリングの快速カットインや、右奥スペースでボールを受けて中央のスタリッジスアレスにパスを出す事もほぼ無かったし、縦のスルーパスも少なかった。

 

クリスタルパレス戦のスターリングのヒートマップ

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ルーカスはコウチのアレンはヘンドの代役を良く勤めていた、少なくとも、この試合では大きく貢献していた事が解る。

ルーカスとアレンのパス・スタッツ

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この試合のレッズはバイタル手前でパスを回しつつサイドチェンジするといった、エヴァートンに完敗した時のユナイテッドの攻撃を思わせるシーンが幾度もあった。

スアレスもしばしば降りてきてスターリングの組み立てを手伝っていたので、前のスタリッジへのマークが厳しくなっていた事もあり、スタリッジも少し辛そうでした。

それでも前半の得意のセットプレーからの得点や、後半微妙にポジションを修正してスタレッジの強引なシュートで得点をもぎ取った事、その直後に更にスアレスが得意形で追加点を上げた事は、ロジャーズ・レッズの優勝の可能性が残る事になりました・・・少なくとも後半のコウチーニョ投入までは。

 
2 重大な采配ミスを3度犯したロジャーズ

一つ目のミスはコウチーニョの交代采配である。

シティとの得失点の問題から、更なる得点が必要だったレッズは体力的なリフレッシュも兼ねて攻撃的なMFであるコウチーニョを投入する。

意図は理解できるが、稚拙だったと思う。

まだ体力に余裕があると考えられるスターリングを変えるべきではなかった、確かになれないゲームメイクで普段より消耗していた可能性はあるが、若い上に明らかに勢いを作れるプレイヤーを下げるのは、ゲーム展開上で綾を生みやすくなる。

 

クリスタルパレス戦のスターリングのパス

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明らかにゲームメイカーとしてプレーしているのが良く解ると思う。

 

確かに決定機を作れるパサーとして高い能力を持つコウチーニョを投入したのは一つの方法だけど、スターリングという速度と運動量をかねそろえたプレイヤーを下げるべきではなく、SBなりで残すのがベターだったと思う。

BRは縦の鋭さを重視していたし、それはBRのサッカー哲学であった筈だし、それは得点と勝利を生み出してきた原動力の一つだった。

しかし、BRは自らのサッカー哲学を貫徹出来なかった、そして哲学を曲げたツケを直ぐに支払う事になる。

トップスピードでスターリングに及ばないコウチーニョは、二点目の失点時のディレイディフェンスに失敗し簡単に置いて行かれてジョグに切り替えた。これがもしスターリングだったなら・・・、前のめりになっていても追いついた可能性はありえるし、そう出来たならば失点しなかったかもしれない。

 

二つ目のミスは守備陣を過信した事である。

今季において組織守備を最後まで構築出来なかったモイーズ・ユナイテッドよりも失点しており、監督のゴタゴタでチームがバラバラだったスパーズとさほど変わらない失点数である。

 

クリスタルパレス戦後の順位表

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gifで見ていただけると解りやすいと思いますのでgifで失点のシーンを全て上げてみます。

転機となったパレス1点目のシーン

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2点目のシーン

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3点目のシーン

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余りいう事はないんですけど、首ふれ、マーク外すな、DFがホルダーに対して距離開けすぎ、DFギャップも大きすぎるし、マークの受け渡しやそれらに関するコーチングも無い。

こんな守備陣なのに、点が欲しいために前のめりの攻撃戦術を採用したのは、BRの指揮・采配ミスだと思います。

 

三つ目のミスは今年になってから良い所が全く無いモーゼスを投入した事。

数節前のヘンドのレッドカードに繋がる結果となったドリブルミス、そしてこの試合での決定機での空振り。あの空振りは大きな決定機で決まってればまだレッズ優勝の可能性は少なくなかった。

シーズンを通して満足のいくパフォーマンスを出せていない選手をフィールドに入れ、この試合をリードし続けた選手を交代させた、あの決定機をモーゼスが空振ったはロジャーズの采配問題でもある。

戦術的、運営的にも、シーズンを通して感じていたBRの哲学がぶれて揺れていた試合でもあり、結局BRの未熟な采配とレッズの選手層の薄さを見事に浮き出させる結果となった。

 

妥当な得点、当然の失点、ロジャーズの甘い采配、パレスの士気を維持したピューリス。勝敗がたゆたいドローとなり、レッズの優勝が絶望的になったのは必然でした。

 

パレス戦は今季レッズの良悪の表出

今季レッズの良形の証明

レッズの強みであるSSS(スターリング、スタリッジスアレス)の得点力+ゲームへの影響力と、BRの中盤の選手起用が3得点を生み出した、今季レッズの強さの源である得点力と得点形を見せ付けた形だった。さらに言うならば、来季も得点力に関してはスターリングの更なる成長を見込めるので、例えスアレスが抜けてもある程度の計算が成り立つと思います。勿論、今季みたいな爆発力はなくなると思うけど。

成長、スタメン起用、明確な思想の元での戦術、それらが勝利に結びついてる事は、BRが今季レッズで証明した最たるものでしょう。

 
今季レッズの悪形の証明

3失点とも守備の問題点だったのは間違いなく、今季レッズの悪い部分が最悪の時期に最悪のタイミングで表出された形でした。

また采配もBRの大一番での勝負弱さ、或いは経験不足を露呈した形になりました。年末年始頃の試合を見ると良く解ると思いますが、緊迫したゲームになると采配でゲームを変えようとしすぎて、自爆の様な形になる事も少なくなかったので、何時かはこういった采配の不味さから逆転負けがあると思っていました。

さらに付け足すなら、ここ数節のGJの起用を見るように、選手特性を生かそうとする余りに、スタメン起用がおかしな事になったりもしてたので、結構得点力に関しても危ぶんでいました、スタリッジスアレスが一流のFWとして、アレン、ルーカスもしっかり仕事をしてくれたので、そこまでこの試合では悪く作用しませんでしたけどね。

 

雑感

兎に角、面白い試合でした。

リーグや試合展開のみならず、来季のクリスタルパレスリバプールの両チームの形を想像できる、色々な意味で素晴らしい試合だったと思います。

BRとピューリスの対比、レッズとパレスの対比、戦術、采配での駆け引きは勿論ですが、レッズの良い部分を象徴した3得点、スタメン、悪い部分を象徴した3失点、交代采配の不味さは非常にコントラストがはっきりしていて、試合を見直しながら吃驚しました。

リバプールファンの方々からすれば色々な意味で残念な試合だったので、申し訳ない気持ちもありますけどね。

来季以降のレッズ予想ですが、再来季~4季後ぐらいを目処に優勝を期待するのがベターじゃないかな?、余程守備陣を補強しない限り、プレミア優勝は出来ないと思いますね。

ただ、選手が若い点は伸びに期待できますので、見ていて楽しくなりそうではあります、BRが首にならない限りは。